受診したら怒られる!?
- 2022年11月21日
- クリニック
いつもブログを読んで頂いて有り難うございます。
泉佐野市の「しまだ健やかクリニック」院長の島田です。
暑い夏の真っ盛りです。
「お中元のお菓子を食べ過ぎてしまった。」「暑くて歩けていません。」
「今日は先生に怒られに来ました。」
こんな患者様が増えてこられました。
「以前の通院先では先生によく怒られていました。」
こんな患者様も時々おられます。
そんな時は「ここでは決して怒られることはありませんよ。」と
お応えしています。
糖尿病や高血圧、タバコやアルコールと関連する病気は、
ご自身の食事や嗜好、運動といった長年の生活習慣を
変えていくことが必要になります。
長年慣れ親しんだ、特にホッとした息抜きにつながる習慣は
誰でもなかなか変えがたいものですよね。
そればかりか毎日どれを選んで食べるのが良いのだろう、
今日は運動できなかったな、と選んだり、後悔したりと
頭の隅にいつも病気のことが引っかかっている患者様は
本当に大変だと思います。
本来は何を食べても、何をしても治ってしまう治療薬が
有れば良いのですが、医学の進歩がそこまでたどり着いて
いないので患者様に負担を強いているとも考えています。
「日々ご自身の健康を気遣っておられるのですね。」
「毎日何を食べるか考えるのは大変なことですよ。」
と感心することはあっても、怒る、叱るということは
決してありません。
「せっかく忙しい中受診したのに怒られた。」と
思うと次の受診がおっくうにもなって当然ですよね。
当院では患者様の出来ていないことを非難しません。
患者様の今すでに出来ていることを見つけ、
患者様の努力や強みをしっかり認め、
ご自身のペースで変わっていくお手伝いをさせていただきます。
そのために当院スタッフは「動機づけ面接」という
コミュニケーション法を学んでいます。
動機づけ面接を少し紹介させていただきます。
もともとはマリファナやコカインといった薬物中毒や
アルコール依存症の患者様に対して効果が認められた面接法です。
今では糖尿病や肥満症から精神疾患まで医療保健領域のみならず
司法や教育、キャリアコンサルティングまで幅広い領域で
役立っています。
動機づけ面接は患者様自身のなかに
健康になりたいという希望、動機があると考え、
そのやる気を引き出し、強めていく方法です。
ああしろ、こうしろと命令するのではなく、
旅行ガイドのように、行きたい方向は患者様が決め、
ガイドとして必要な情報はしっかり伝え、
安全に楽しみながら一緒に旅するようなイメージです。
動機づけだなんて、うまく人を誘導して思い通りにするのでは
と考える方もいるかもしれません。
ご安心ください。
動機づけ面接は患者様への医療者の心がけを最も大切にしています。
患者様と医療者は対等な立場である。
患者様は敬意を払われるべき価値や強みを持っている。
患者様は自分で自由に選択する権利がある。
患者様の福利を第一に考える思いやりを持つ。
このような姿勢を常に保っています。
「意思が弱いんです。」「○○したいけど、出来ないです。」
という患者様が「できました。」「自信がつきました。」と
自ら変わられることを動機づけ面接を通じて体験してきました。
私は動機づけ面接のトレーナーとして活動していますが、
「他人を変えようとするのでなく、自分がまず変わりましょう。」
とお話ししています。
当院スタッフにも技術よりもまず相手の立場にたって
相手を理解し、思いやる心がけを強調しています。
先日も転職を機に5ヶ月受診が途切れている患者様がおられました。
どう過ごされているのかと心配でお電話させて頂きました。
やはりご多忙でなかなか受診できなかったそうですが、
一方で身体のことも気になっておられ受診の予約をされました。
受診が途切れて再受診に引け目を感じる方がおられるかもしれません。
ちゃんと来ないとダメですよ、と怒られることはありません。
「よく受診されましたね!」とお待ちしております。
何人の患者様がおられましても、百人のうちの一人、千人のうちの一人ではなく、
お一人お一人を大切に診療しております。
明るい朗らかな気持ちでクリニックをあとにして頂けるよう、
クリニックスタッフ全員でお待ちしております。